気になったので隣の部屋に行くと、背中を丸めた母が携帯をいじっていた。
「出ないわねぇ…」
先ほどの電話は弟の会社の上司から。
連絡を取りたいが携帯がつながらない。
在宅しているか?という内容。
あいつ携帯料金滞納してるんじゃないだろうな…
恥ずかしいやつだ!と喜んだが、勘違いで終わった。残念。
母がまごまごしてる間に私も弟の携帯にかけてみた。
ワンコールもせずにプツッと切れる。2回とも。
若干頭にきた。
こんにゃろー…。
仕方ないので用件を簡潔にまとめてショートメール送信。
ふん、この優しさに感謝するがいい。
しかし、なんと。
ショートメールを送信して1分もたたないうちに、弟から着信が!
スマホの画面にデカデカと弟の名前が表示されている。
なんだこいつ!
電話に出られるならさっさと出なさいよ!
さらに頭にきたので電話には出ず放置した。
しばらくして父の携帯が鳴った。
ショートメールには「上司に電話しろ」とはっきり書いたはずなのに、うちに電話してきてどうすんだ…。
意味不明な弟である。
その後、2週間ぶりに家に帰ってきた弟は父母となにごとか言葉をかわし、風のように去っていった。
そろそろ遊ぶお金が尽きる頃。
お金がなくなったら定時で家に帰ってくる。
犬のおやつ係の争奪戦にむけ、こちらも気合いを入れなければ。

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