夕飯を食べ始めた頃、聞き慣れたエンジン音がして、やがて玄関のドアがガチャっと開いた。
ドタドタ足音を立てながら台所に入ってきたのは、弟だ。
ご飯を食べている私たちの横でたばこに火をつけ吸い始めた。
煙がもわもわと充満した…。
「タバコくさい!!」気付いたら、弟を怒鳴りつけていた。
「御飯もういらない!」台所のドアをバーーン!と閉めて自分の部屋に戻った。
ドアを力任せに閉めた時、「わあ!」と驚く親の声が聞こえた…。
ああーーー
やってしまった。
やってしまった…。
たばこは嫌いだ。
まわりが吸うのはいいけど、家族がたばこを吸うのは許せない。
たばこで家がなくなったのに、たばこを吸い続けるのが許せない。
頭に血が上りすぎた。
自己嫌悪…。
翌日、親も弟もたばこを吸わなかった。
私の前では。

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